マルちゃん正麺が大逆転できた「3つの改革」 衰退市場で起きた”革命”とは

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理由3
変幻自在の味で多様な客層が支持

販売拡大に大きく貢献したのは店頭での露出に加え、インターネットの口コミ効果だ。

近年、節約志向を背景に外食を控え、家庭内で料理をする内食化が進みつつある。鍋で調理する袋麺にはちょっとした追い風である。家庭内でのさまざまなシーンを想定し、「マルちゃん正麺」は、肉にも野菜にも合うよう麺の味を調節。家庭でアレンジしやすい設計にした。

「味が強すぎると、お客さんはすぐに飽きてしまう。アレンジしやすい商品でないと、生き残っていけない」と堀氏は語る。その結果、ネットではアレンジレシピが続々と登場。「友達や家族と作り方を研究している」との声もある。

「マルちゃん正麺」の場合、ターゲットとなる客層を明確に定めていない。購入者の約2割は、これまで袋麺をほとんど購入したことがなかったという新規顧客。通常、即席麺のメインターゲットではないはずの50代以上の顧客も含め、多様な客層に支持されている。

東洋水産は12年5月に「マルちゃん正麺」の製造ラインを2本に増やし、生産能力を倍増。13年春には3本目のラインが完成する予定だ。

「マルちゃん正麺」は、下降線をたどっていた袋麺市場に火をつけることとなった。12年8月には日清食品が「ラ王 袋麺」を、9月にはサンヨー食品が「サッポロ一番 麺の力」を発売し、反撃に出ている。40年もの長い時間、縮小を余儀なくされた袋麺市場に元気が戻ってきた。

(撮影:今 祥雄)

週刊東洋経済編集部
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