キッコーマン「生しょうゆ」、3つの革命 1500社がひしめく激戦区でスマッシュヒット

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日本の食卓に欠かせない「しょうゆ」。数多くの料理に使われ、どの家庭にも1本はほぼ常備されている調味料だ。

しょうゆの国内市場は年間1600億円程度で安定的に推移し、そのうちキッコーマン、ヤマサ醤油、ヒゲタ醤油など大手5社がシェアの半分を占める。だが、実は国内には地場の中小業者を合わせると約1500社ものメーカーがひしめき合う激戦区であることは、意外と知られていない。

地域密着の要素も強く、定番の調味料ゆえにヒット商品が生まれにくい。これがしょうゆ市場の「常識」だ。しかし、それを破り急速に躍進している商品がある。最大手のキッコーマンが2010年9月に投入した「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」シリーズだ。今期(13年3月期)の売上高は20億円と前期(11億円)から約8割も伸びる見込み。さらに購入者の9割が「また買いたい」と答えるほど、満足度も高い。

このヒットの裏側には、従来のしょうゆにはなかった3つの「革命」がある。

加熱なしで新鮮な味を実現

一つ目は味の「革命」。キッコーマンのしょうゆといえば、こいくち・うすくちしょうゆや「特選丸大豆しょうゆ」が定番。これらのしょうゆを作る時は、加熱して微生物を取り除く「火入れ」という処理を行う。しょうゆは火入れを経ると色が濃くなり、香りも強くなる。

そこで、「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」は新たな味わいと色味づくりに挑んだ。加熱をせずに微生物だけを取り除く製法を採り入れたのだ。火入れを行わないことで「味わいが軽く、色も鮮やか。和食だけでなく、サラダやパスタにも合う」とキッコーマンのプロダクト・マネジャー室、しょうゆ・みりんグループの茂木篤氏は胸を張る。

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