デジカメ時代に「チェキ」がなぜ人気?

開発と販促の裏側を探る

カメラのデジタル化に押され、全盛期だった1997年のたった4%程度にまで縮んでしまった写真フィルム市場。しかし、その波を押し返して販売台数を伸ばしているフィルムカメラがある。撮ったその場でカードサイズのプリントができる、富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」シリーズだ。
世界で一枚だけの味のある写真が、その場でプリントできる特長を武器に、結婚式などイベント用に根強い人気を誇る。販売台数は2009年度の49万台から右肩上がり。近年は特に中国や韓国など東アジアの若い女性を中心に火が付き、日本でも人気を呼んでいる。
フィルムカメラを知らないデジタル世代に、アナログなインスタントフィルムカメラがなぜ、ウケているのか。11月に発売となった新製品「instax mini8」の開発責任者である富士フイルムイメージング事業部の坂田憲彦担当部長(=写真左=)と、同事業部で販促等を担当する渡邊美恵子氏に聞いた。


――新製品「instax mini 8」が発売となりました。

坂田 世界で一番“カワイイ”カメラを目指しました。

特に10代、20代前半の若い女性を意識して、5色のカラーバリエーションを作るなど、製品の色づかいやデザインにこだわりました。見た目もかわいく、撮れる写真もカワイイというチェキの特徴を際立たせることができたと思います。

もともとチェキは白飛びしたいい風合いの写真が撮れるのですが、新機種ではその機能をさらに進化させた「ハイキーモード」という新機能も加えました。通常より絞りを3分の2程度開けることで、より白飛びした「ハイキー」な写真が撮れます。

カメラというより「カワイイ雑貨」

パッケージにも5人の原宿系のモデルを起用して、カメラというよりも「カワイイ雑貨」が売っているというようなマーケティングを意識しました。

渡邊 メインユーザーである若い女性のなかでも、デジカメやスマホがこれだけ普及している中でチェキを使いたい人はどんな人だろうかと考えていくと、一工夫をして人とは違う個性を出したい、友だち同士でコミュニケーションをとって楽しく過ごしたいといった女性像が浮かび上がってきました。

そのようなライフスタイルを持っているのは、個性的なファッションを楽しんでいる原宿系の女の子たちです。もちろん、原宿だけでなく、韓国だったら明洞、中国だったら上海のように、世界各地には同じような価値観を持った女の子がたくさんいます。

そういったターゲットに訴求するため、原宿系のモデルをパッケージに起用しました。

次ページ韓国で人気に火が点いたワケは?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
無神経すぎる人に「ちょっとだけ言い返す」技術
無神経すぎる人に「ちょっとだけ言い返す」技術
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT