もちろん、企業も原価や人件費などを下げる努力はするでしょうが、「売上高営業利益率」が低い企業は苦戦を強いられる可能性が高いのです。そういう点では、ユニ・チャームの同利益率が12.1%という高い水準であることは、安心感があると言えます。
もうひとつ、消費税増税が企業に与える影響を左右する要素があります。それは、全体の売上高のうち、日本での売り上げが占める割合はどの程度あるか、ということです。引き続き、ユニ・チャームの場合を見ていきましょう。
決算書のセグメント情報にある「所在地別業績」を見ますと、当期の売上高は、日本が2290億円、中国が563億円、その他が1429億円となっています。つまり、全体の売上高4283億円のうち、日本が占める割合は53.5%であり、残りの半分近くは海外での売上高ということです。消費税が上がるのは日本だけですから、ユニ・チャームは海外比率が高い分、消費税増税の影響は小さいのではないかと思われます。
さらに、各所在地の「売上高営業利益率」を計算しますと、日本は12.8%、中国は16.5%、その他は9.4%となります。中国での同利益率が非常に高いということが分かりますね。つまり、中国ビジネスが今後どれだけ安定して拡大していくかが、業績アップの鍵になるのではないかと思います。
いずれにしろ、ユニ・チャームは海外比率も売上高営業利益率も非常に高い水準ですから、消費税増税による影響は限定的であると考えられます。
抜群の安定性誇る花王が受ける増税の影響は?
次に、ユニ・チャームと同じく生活用品を扱う花王の財務内容を見てみましょう。貸借対照表にある純資産合計と資産合計から自己資本比率を計算しますと、55.5%。花王もユニ・チャームと同様、非常に高い水準であることがわかります。
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