昨年夏頃から、住宅市況が好調です。下の表を見てください。
これは、「新設住宅着工」の推移を表したグラフです。住宅を新築するとき、建築主は都道府県知事に工事の届け出をします。その件数を月ごとに集計したものが、「新設住宅着工」です。
この表を見ますと、特に2012年8月あたりから90万戸前後の高水準が続いていることがわかります。住宅エコポイント制度が同年7月で終了してしまったにもかかわらず、8月以降も新しく住宅を建てようとする人が増えているのです。
この理由は何でしょうか。2012年8月、野田前首相が掲げた消費税増税法が成立しました。現在5%の消費税率が2014年4月に8%、2015年10月に10%まで2段階にわたって引き上げられるのです。
そこで消費者は、「消費税が上がる前に住宅を買っておこう」と考えて、駆け込み需要が増えているというわけです。政府は増税前に契約した分に関しては、完成が増税前でも元の税率を適用する方針ですが、それでも家を建てる場合には、ほかにも家具や家電製品のような関連消費があるために、早めに建てておきたい心理が働くものと考えられます。
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