消費増税前の住宅駆け込み需要は期待できるか 積水ハウス VS.大和ハウス

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次に、収益性を見るために「損益計算書」に注目します。

「売上高」は、前年同期は1兆1120億円、今期は1兆1411億円と2.6%の微増となりました。売上高から原価や販管費などを差し引いた「営業利益」も、497億円から514億円という、4.5%の微増となっています。

業績自体は決して悪くはありませんが、消費税増税の駆け込み需要は、それほど反映されていないようです。

売上高の内訳をもう少し詳しく見てみましょう。

これは、売上高を事業ごとに表したもので、左の数字が前年同期(平成23年2月1日~10月31日)、右が今期(平成24年2月1日~10月31日)のものです。

意外にも、今期の「戸建住宅事業」が前年同期より減少しているのです。「賃貸住宅事業」や「分譲住宅事業」も売り上げを落としています。つまり、消費税増税前の駆け込み需要があると言われているものの、積水ハウスの戸建住宅はまだそれほど影響が出ていないのです。

一方で、増えているのは「マンション事業」「都市再開発事業」「リフォーム事業」「不動産フィー事業」などです。特にリフォーム事業は、太陽光発電システムの販売や、省エネ型リフォームなどの売れ行きが好調だったようです。

以上のことから、一般的には消費税増税前の駆け込み需要から「新設住宅着工」が増えていると考えられていますが、積水ハウスの業績を見る限りは、住宅事業以外のセグメントが増えているということがわかります。これからの数字の動きに注目です。

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