消費増税前の住宅駆け込み需要は期待できるか 積水ハウス VS.大和ハウス

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安倍首相は、「消費税を上げるかどうかは、今年の秋に判断する」と発言していますが、これは、4~6月のGDPの成長率が大きな要因となることは間違いありません。4~6月はプラス成長になるとの見通しですので、高い確率で増税が行われることになるでしょう。私は、この増税は国内景気や企業業績に大きなインパクトを与えるのではないかと懸念しています。

今回は、日本を代表する大手ハウジングメーカーである大和ハウスと積水ハウスの財務内容を見ながら、消費税増税前の駆け込み需要が両社の業績にどう影響しているのかを分析します。さらに、増税後の見通しについても考察していきます。

駆け込み需要の恩恵は意外と少ない?

積水ハウスの平成25年1月期の2~10月期決算(2012年2月1日~10月31日)を見ていきます。同社の決算は、1月期決算となっていることに注意が必要です。

まずは、「貸借対照表」に注目してください。

会社が中長期的に安全であるかの目安となる「自己資本比率(=純資産÷資産)」を計算しますと、51.9%。

この指標は一般的に、設備などを多く必要とする業種では20%以上、商品や製品、原材料などを多く必要とする業種では15%以上であれば安全だと判断しています。

つまり、積水ハウスは非常に中長期的な安全性が高いと言えます。

社債や借入金などの有利子負債は約2700億円ありますが、約1兆4000億円の資産全体から見ると大きな額ではありません。

現預金は1185億円。これは、月商の1.2カ月分に当たります。

大企業であれば、月商の1カ月分強の現預金があると余力があると言えますから、積水ハウスは当面の資金繰りにはまったく問題ありません。

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