アベノミクス効果? 地価上昇の気配

都心部の需要増、高額物件に投資マネー

ここ数年、下落が続いていた地価がいよいよ反転上昇に向かうのか。アベノミクス効果が株価を押し上げる中、不動産市場でもその波及に期待が高まっている。

国土交通省が3月21日に発表した2013年の公示地価は、全国全用途平均で前年比1.8%減と、5年連続で前年を割り込んだ。ただ、10年の同4.6%減から、減少幅は年々縮小している。同省は「底入れの兆しが見えつつある」と、現状を分析する。

専門家の意見はさらに強気だ。不動産専門の情報サービス会社、東京カンテイの中山登志朗・上席主任研究員は「価格下落地点の多さに引きずられているだけで、事実上の底入れといって差し支えない」と語る。

実際、駅前など利便性の高い土地は08年のミニバブル崩壊以降の価格下落で値頃感が強まり、足元では需要も増加傾向にある。こうした状況が世間で認知されていけば、不動産購入を前向きに検討するムードが広がり、結果として、今回の地価公示が市況反転のターニングポイントになる、と中山氏は指摘する。

すでに3大都市圏の一部では、再開発などに伴って価格が大きく上昇した地点も出てきた。最前線は、神奈川県川崎市の武蔵小杉駅周辺だ。

同駅から700メートルの距離にある住宅地の価格は前年比9.1%アップ、駅前の商業地に至っては同10.5%も上昇した。駅前の工場跡地などで大規模なタワーマンションや商業施設の開発が相次いで進んでいることに加え、3月16日から東急東横線と東京メトロ副都心線との直通運転が始まり、東京都心へのアクセスも向上したことで、需要は一段と拡大している。

野村不動産が同駅前で開発中のタワーマンション(450戸)には、3月中旬までに5100件超の問い合わせがあった。生活や交通の利便性を評価して、埼玉や千葉からの移住を検討する客も少なくない。駅周辺では今後も2000戸超の新規供給が予定されているが、「供給ペースを上回る需要が見込める」(野村不動産の田中慶介・課長代理)という。

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