米ホテル大手、ドバイ“臨時本社”の皮算用 スターウッド、幹部200人そっくり移転
中国企業のオーナーが、政府系から民間のたたき上げ経営者にシフトする中で、トップセールスの重要性は増している。日本でも11年に、ローソンの新浪剛史社長が上海に1~2カ月の長期滞在をもくろんだことがあるほどだ。ただ、新浪社長の場合は、11年3月に東日本大震災が起きたため、実現はできなかった。
日本にも外資が攻勢、国内勢の大型再編は
ドバイに本社を移しても、アジア市場の重要性が下がるわけではない。韓国で3~4件のホテル出店計画があるほか、日本でもシェラトンホテル広島(11年3月開業)以来の発表が今年はありそう。
「宿泊特化型の『アロフト(A LOFT)』で3件くらい交渉している。『セントレジス』も大阪に次いで東京で出したいし、高級ブランドの『W』も未進出。Wは2件ほど引き合いがある」(橋本氏)。コンバージョンと呼ばれる、既存ホテルのブランド変更も活用しながら、開業ペースを上げたいところだ。
こうした外資系ホテルの進出攻勢に対し、日本資本では10年にホテルオークラがJALホテルズを傘下に収めたが、それ以外に本格的なM&Aはまだまだ少ない。
バブル期の過剰投資がたたって、既存ホテルの立て直しが先決だったことが大きいが、各地方で「地元の顔」として定着しているシティホテルや高級ホテル同士が、統合してブランドまで変えるインセンティブが働きにくかったことも背景にある。
それでも、都心部の大規模再開発や既存ホテルのリブランドで国際資本への看板替え、のれん替えはまだまだ続く。国内勢同士の大型再編が今後ともあまり実現しそうにない、とは言い切れなくなってきている。外資の攻勢に、対抗する意味合いでの日の丸ホテルチェーン誕生もありえなくはない。
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