韓国大慌て、「金メダル数で日本に抜かれた!」 日本への「強烈な対抗心」はいつまで続くのか
結局、韓国は総メダル21個と1988年のソウルオリンピック以来最低の結果に終わった。とはいえ、韓国は当初の目標「10-10」(金メダル10個以上、世界ランキング10位圏内)こそかなわなかったものの、金メダル9個、世界ランキング8位と決して悪い結果ではない。いや、むしろ好成績だろう。
それなのに、これほどまでに日本を意識したオリンピックはなかったかもしれない。40代の会社員はこう苦笑した。「メディアがまだ古い体質なんじゃないですかねえ。今回、日本はすごいなあと思いましたが、正直、その程度。勝利の背景を分析するのはいいですが、結果を日本と比べてうんぬんというのはもう止めてほしいと思いますね」。
それでも、韓国メディアの日本への視線は熱いまま、オリンピック閉幕後も日本関連の報道が続々と流れた。リオから韓国に帰国したチョン・モンギュ韓国選手代表団団長もその日のインタビューで、「日本は陸上400メートルリレーで伝統的な強豪米国を抑えて銀メダルを手にし、世界を驚かせた。日本の躍進は示唆するところが大きく、韓国スポーツが進むべき政策の方向を確認できた。長期的、体系的な投資支援策を整えて科学的訓練や新しい戦略の導入、私たちの体質に合った選択と集中、海外のケースをベンチマーキングするなど尽力しなければいけないようだ」(京郷新聞、8月23日)と語っている。
スポーツは生活に根づいているか
「朴泰桓だけ待つ韓国――小中高ごとにプールがある日本」(ソウル新聞、同)など日本とスポーツ環境を比較する報道も目立つ。記事の多くは、「韓国がエリート教育にだけ集中しているのに対し、日本は生活体育(生涯スポーツ)が根づいており、そのため、競技人口の底辺が広く、広い裾野からエリート教育を進めている。生活に根づいたスポーツを広めることが大事」と論じていた。
ちなみに、朴泰桓は北京オリンピックで韓国に初めて水泳で金メダルをもたらした人気選手だったが、2014年9月にドーピング検査で陽性となり、韓国の水泳連盟の規程により18カ月間の資格停止処分を受けた。本来ならリオオリンピックにも出場できないはずだったが、土壇場の記者会見で土下座するなど物議を醸し、すったもんだの末出場した。が、フタを開けてみると予選落ち。そもそも出場させるべきだったのかという声も上がったが、朴選手は韓国水泳界の「怪物」とも呼ばれ、環境が整わない中で奇跡的に誕生した逸材といわれている。
韓国メディアがさかんにいう「生活体育」とは生活に根ざしたスポーツのことで、韓国の参加率は約43%といわれ、日本は下降しているものの60%以上とされる。言われてみると、韓国で日常に溶け込んでいるスポーツで幼い子供たちを見かけるのはテコンドーくらいで、野球帽を被った少年が自転車をこぐ姿や、サッカーのユニフォーム姿で運動場に向かう子供たちにお目にかかることはめったにない。よく見かけるものといえば英語塾や学習塾の送迎バスくらいだ。
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