アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢で、日本経済の再生を実現しようとするものだという。金融政策や財政政策の効果は短期的な景気浮揚に限られる。問題は持続的な経済成長を実現することだ。
そのためには、第3の矢である成長戦略がもっとも重要だということは衆目の一致するところである。アベノミクスの成長戦略には、「民間投資を喚起する」という修飾がついている。
設備投資の二面性
民間投資を刺激するということには、需要と供給の両面から意味がある。日本経済の低迷が需要不足によるものだという考え方からは、需要としての設備投資、とりわけ企業の設備投資が増えることで実質GDP(国内総生産)が押し上げられると期待される。一方、企業の設備が増えることで日本経済の生産力を高めるから、設備投資の刺激は供給側の政策でもある。設備投資によって生産性を高めることで国際競争力を強化して輸出を増やすという、需要と供給の両面に効果があるという考え方もあるだろう。
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