「冴えない相場」は参加者に気概がないからだ

政府・日銀頼みを止めて自らリスクを取ろう

買収を繰り返すソフトバンクの孫正義は、リスクテイカーだ(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

まず足元の国内株式市況の全体動向をみると、ぱっとしない。もともと材料が少なく、膠着症状になるという見通しはついたが、日経平均は1万7000円が遠く感じられるほど上値が重く、むしろたびたび100円を割れる米ドル安円高もあって、1万6500円を一時下回るような展開だった。ただし円もどんどん高進していくような迫力はなく、株価は底固さもあった。

株価の底固さについては、円高の割に株価が下げにくかった、とも言える。その株価と円相場に乖離が生じた要因として、日銀のETF買いが指摘されている。どうも足元の株式市場は、そればかりを追っている感が強い。たとえばNT倍率(日経平均株価÷TOPIX)はかなりの上昇をみせており、これは日銀が流動性の高い(売買高の多い)日経平均連動型ETFを中心に買い上げる、との思惑によるものだ。

情けない証券界、実業界、投資家たちの声

また、特に8月18日(木)は、前場は「日銀が午後からETFを買ってくれるだろう」との期待から、日経平均株価は下げ幅を大きく縮め、逆に後場は「どうも日銀が買っていないようだ」との観測から、下げ幅を広げるという体たらくだった。こうした情けない相場付きは、本来であれば嘲笑に値するものであるが、余りの悲惨さに笑いすら起こらない。

証券界から「株価が上がるのであれば、日銀の買いでも何でもよい」との声が聞こえるのは、行く末を案じる。むしろ「政府・日銀は、人為的に株価を吊り上げ、市場の価格形成をゆがめるような政策を取るべきではない。経済を改善し企業収益を押し上げるような策を取るべきだ。企業収益が大いに増益となれば後から株価は自然に上がる。日銀のETF買い入れなどの駄策はのしを付けてお返しします」と提言するのが、本来やるべきことだろう。

次ページやってみなはれ精神はどこに
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT