ラオックス、「平均客単価4割減」の巨大衝撃 「爆買い」失速だけじゃない、赤字転落の理由
8月中旬のある日の午後1時、ラオックス銀座本店に横付けされたバスから降りてきた45人のうち、店内へ入ったのは4人だった。
店から出てきた20代の中国人女性が購入したのは美容家電のみ。「少し高いかも」と不満を口にした。わずか1年前、店内は身動きが取れないほどの活況で、「20万円以上使った」「炊飯器を4台買った」など威勢のいい声が聞けたが、今や隔世の感がある。
“爆買い”失速は、ラオックスの業績に表れている。2016年12月期の中間期(1〜6月)の売上高は350億円と前年同期比2割強の減少。純利益に至っては、店舗整理損などもあり、4.6億円の赤字に転落した。
大量・地方出店も裏目
家電量販店から総合免税店へと転換したラオックスは、訪日観光客の増加を追い風に、2014年度に14年ぶりとなる黒字化を達成。余勢を駆って2015年度には、過去最高純利益80億円をたたき出した。
劇的な復活を遂げたのもつかの間、高転びしたのには複数の理由がある。中国の関税引き上げや円高元安の影響で、中国人客は高単価品の購入を控えるようになった。
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