やわらかな頬、筋骨隆々の肉体

「フランダースの犬」の少年ネロが、憧れた才能

やわらかな肉体

 

ペーテル・パウル・ルーベンス『ロムルスとレムスの発見』1612-1613年頃、油彩・カンヴァス、210×212cm    ローマ、カピトリーナ絵画館 ©ROMA CAPITALE-SOVRAINTENDENZA BENI CULTURALI-MUSEI CAPITOLINI 左の子供は狼の乳を飲み、右の子供にはキツツキが3粒のサクランボを運んでいる。狼の毛並の描写が見事

『ロムルスとレムスの発見』にはローマ建国の伝説が描かれている。オオカミとキツツキに育てられたロムルスとレムスの双子の兄弟が、右奥から登場する羊飼いに発見される場面だ。狼と双子の部分は古代彫刻がモチーフになっている。石の彫刻から、やわらかな人間の肉体を描き出した。

外交関係の仕事もしていたルーベンスは、1629年にイギリスに渡った。イギリス王室が所蔵するイタリア絵画を目にして、再び学習意欲が湧いてきた。ティツィアーノの作品を模写したのが『毛皮をまとった婦人像』だ。

ペーテル・パウル・ルーベンス『毛皮をまとった婦人像』(ティツィアーノ作品の模写) 1629-1630年頃、油彩・カンヴァス、91.8×68.3cm、ブリズベン、クィーンズランド美術館Collection: Queensland Art Gallery
毛皮と裸婦の官能的な組み合わせは、後に再婚した若い妻を描いた作品、通称≪毛皮ちゃん≫にも応用された

50歳を過ぎて、すでに国際的な名声を得ていたにもかかわらず、謙虚に学ぼうとした。この絵は新たな画業のスタートを切るきっかけになったという。毛皮をまとう裸婦という官能的な組み合わせは、後の作品にも使われている。

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