ロバート・キャパ、戦争写真のミステリー あの傑作は、誰が撮ったのか?

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今、横浜美術館で「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」という展覧会が開かれている。ロバート・キャパは著名な報道写真家だが、もう1人のゲルダ・タローとはいったい誰なのだろうか。

ロバート・キャパの名前を世界に知らしめたのは、「崩れ落ちる兵士」と呼ばれる次の1枚だった。

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ロバート・キャパ《共和国軍兵士、コルドバ戦線、スペイン》1936年9月初旬 ゼラチン・シルバー・プリント、横浜美術館蔵、© ICP/Magnum Photos

スペインで1936年に共和国政府が成立すると、それに反対するフランコ将軍派との間で内戦が起きた。共和国軍の兵士が撃たれた瞬間をとらえ、ニュース誌に幾度となく掲載されたこの写真は、キャパの代表作となった。

作家・沢木耕太郎も謎を追究

しかし、弾が飛び交う戦場で、このような決定的な瞬間を撮れるものだろうか、という疑問がつねにささやかれてきた。長年この疑惑を追究してきたノンフィクション作家の沢木耕太郎さんは、『文藝春秋』2013年1月号に「キャパの十字架」を発表した。綿密な取材で謎に迫るスリリングな長編ノンフィクションだ。

その中に出てくるのが、これは演習中の写真ではないか、撮影者はキャパではなく、同行していた女性写真家ゲルダ・タローではないか、という問いである。

ゲルダ・タローはキャパの恋人だった。2人は1934年にパリで出会った。タローはドイツ生まれ、キャパはハンガリー生まれのユダヤ系だったため、ナチスの台頭によって、それぞれフランスへ逃れてきていたのである。

キャパの3歳年上のタローは、美しく魅力的な女性だった。キャパのほうも好男子。2人は恋に落ち、仕事上でもパートナーとなる。

キャパの本名はアンドレ・フリードマンだ。移民の二人はフランスの編集者に写真を高く売り込むために、ロバート・キャパという架空のアメリカ人写真家を作り上げた。

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