あなたの日常のネット投稿、実は危なすぎる 位置情報を付けたままアップすると危険!

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今年の春に、東大大学院の●●●研究科なんていう珍しい理系の研究室に入った、しかも「女子」。下手したら1人~2人、そんなレベルです

●●●研究科のWebページを片っ端からチェックすれば「たぶんこの子だね」というアタリは簡単につけられるでしょう。

自宅の特定だって簡単です。「歩いてちょうど10分に地下鉄の駅が2つ」これだけで住んでいる区内でのエリアが特定できます。「学校まで自転車で20分」、「途中に坂道があって大変」、「2階の南向き角部屋」、もう十分ですね。

25、6歳の女性が自転車を20分走らせると、だいたい4.5km進みます。学校から住んでいるであろうエリアに向けて4.5㎞くらいの移動距離で、途中に坂道があるルート限定、しかも学生の一人暮らしだからアパートかマンションの2階、南向き角部屋……部屋の特定も不可能ではありません。個人情報を書かなくても、個人情報は特定されるのです。

これほかにも、たとえば「ゲリラ豪雨だぁ! 洗濯物が……」とか「家にいたら停電! PC落ちた」などの書き込みもリスクを生みます。その時間帯にゲリラ豪雨や停電が発生していた地域を、過去にさかのぼって絞り込めるサービスもあるのです。

しつこいですが、「炎上」でも引き起こさなければ、日々ネットを使う際にこんな細かいことまで気にする必要ありません。でもタチの悪いストーカー(以下略)。

「長期外出中」と投稿するリスク

そして、実はリスクがメチャクチャ高いのに、ほとんどの人が気にしていない、こんな投稿があるんです。

「明日から家族で旅行! ひさびさの海外です」

自宅玄関に「長期外出中」って貼りだしているようなモンです。世の中の空き巣家業の方々には「タマランねぇ♪」という素敵な情報ですよコレ。実際に海外では、SNSで確認したターゲット宅に忍び込むことを専門にしていた空き巣が捕まっています。空き巣いわく「これほど確実なビジネスはないぜ? だろ?」だよな。

とは言いつつ、今回お伝えした内容はどれも、交通事故に遭うリスクよりもはるかに低いものです。インターネットは知識は持って、適度に、正しく怖がって使いましょう。

小木曽 健 国際大学GLOCOM客員研究員

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おぎそ けん / Ken Ogiso

1973年生まれ、埼玉県出身。複数のITベンチャーを経て現職。書籍や講演、メディア出演などを通じて「ネットで絶対に失敗しない方法」やネットリテラシーに関する情報発信を幅広くおこなっている。これまでに企業、学校、官公庁などで2000回以上、のべ40万人に講演。著書に『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)、『ネットで勝つ情報リテラシー』『大人を黙らせるインターネットの歩き方』(筑摩書房)、監修に『13歳からの「ネットのルール」』(メイツ出版)他多数。

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