スミレ様は親を一番必要とした時期に、親からケタ外れの虐待を受けました。お母様はお嬢様育ちだったから、あなたの切実で当然の訴えに取り合わなかったのかとも考えておられるようですが、それは違います。これは育ちとは関係のない人間としてあるまじき行為で、ましてお嬢様でも、これは有り得ないことです。
多くの青少年犯罪の陰には、成育時の親からの虐待や愛情不足が原因となる場合も少なくありません。あなたも横道に外れても、あなただけを責められない十分な環境にありました。そんな中でよく勉強されました。大叔母様の援助があったとはいえ、援助されるにふさわしい資質や幸運があなたにあり、それだけ努力もされた証拠です。
”あ・うんの呼吸”で許してはならない
今のあなたの幸福を、誰よりもあなたのお母様が、感謝しなければなりません。あなたとたとえ表面上でも普通の母娘になりたいなら、お母様は誰から促されなくとも要求されなくとも、あなたにはきちんと謝罪しなければ、前に一歩でも進めない立場です。日本にはよく、はっきり言葉にしなくとも”あ・うんの呼吸”で理解し合える美徳があるといわれますが、これは絶対、そうするべきではありません。あなたから謝罪や反省を要求する必要も意味もありません。
どの面をさげて、子どもを見せに来いだの訪ねて来るだのと言っているのでしょうか。恥や反省を知らない証拠です。今もお母様は、過去を水に流してあげる値打ちのない人で、あなたの人生の輪の中に入れるには、お互いのためになりません。
今回私はスミレ様に、パンプキンならどうするかと尋ねられた立場ですが、すっかりあなたに感心しています。
私なら親を恨むあまり、努力しない理由をいくつも並べて、そうしてまで勉強しなかっただろうと思います。よく自分をいじめた人を恨み続けるあまり、現在も将来も、その加害者に精神的に支配されている状態を作り続ける人がいますが、あなたの被った被害に比べて、あなたがそうでないことが素晴らしいと思いました。
もしそうだったなら性格もいじけ、大叔母様の援助を受ける勇気もなく、そんなに素晴らしい家族を持った夫となる人ともすれ違い、そのご両親からも可愛がられる人になれなかったはずですから。
皆が皆、年を取ると丸くなるとは限りません。そして年寄りだから親だからと、なし崩しに許すのも、お互いのためになりません。直接間接的に、子どもさんへの悪影響も考慮に入れない理由がありません。
距離を縮めるには、まだ時期尚早です。今の、お母様との距離の取り方が絶妙だと思います。あなたのお母様に都合のよい“あ・うんの呼吸”にだけは、絶対に乗ってはいけません。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら