ハーバード以外の、知られざる「一流大学」 リベラルアーツカレッジという選択肢

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アイビーリーグを蹴る学生も

また、リベラルアーツカレッジのトップ10の大学は、アイビーリーグと比較しても難易の差はない。このため、アイビーリーグに合格しても、リベラルアーツカレッジは不合格となることも頻繁に起こる。

このようなことがなぜ起こるのか?

それは、ハーバードのロースクールやケネディースクール、そして、MBAなどへの進学を考えた際、ハーバードの学部課程に合格する力を持っていたとしても、あえて、リベラルアーツカレッジに進学してしっかりとした教育を受け、その後、大学院でハーバードなどのアイビーリーグに進学すれば良いと思っている生徒が多くいるからだ。

実際に、海外トップ大学進学塾「ルートH」の全卒業生10名中3名は、ハーバードなどのアイビーリーグに進学せず、このリベラルアーツカレッジに進学している。日本の高校生にとっても、リベラルアーツカレッジは、志望校の選択肢の一つとして確立しつつあるのだ。

このようにハーバード以外の海外の大学にも目を向けることで、大学受験の進路選択の可能性はより広がる。それと同時に、日本でも、アメリカのリベラルアーツカレッジのような学部生を丁寧に指導する大学が出てくることを期待したい。

(構成:上田真緒)

藤井 雅徳 ベネッセ・高校事業部グローバル事業推進ユニット長

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ふじい まさのり / Masanori Fujii

1975年大分県生まれ。99年、ベネッセコーポレーションに入社。入社から8年間、年間200本を超える高校生への進路講演、教員向けの研修会、大学受験情報の分析などを行いながら、学校改革支援に従事する。2008年5月、米国のトップ大学を目指す少数精鋭の進学塾「ルートH」開校。3期生までで10名の卒業生を輩出し、米ハーバード大に5名、米イェール大に3名等、高い合格実績を残す。ソーシャルイントラプレナー(社内起業家)として、現在7つの新規事業プロジェクトを担当。

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