「流行の服ばかり着る人」は出世できない

そろそろ「戦略的に装う」ことが重要だ

最近は、装いについて後輩に注意できる人は減ってきているようです。男性は「服装について注意してセクハラだと思われたら困る」と躊躇してしまう方が多いようですし、女性でもオフィスファッションの多様化やカジュアル化が進み、どこまでがOKラインなのか基準がわからず、注意もしにくいと聞きます。こうして、ビジネスシーンにふさわしくない装いをしていても誰からも指摘されない可能性が高くなっているのです。でも、逆に考えれば、ふさわしい装いができれば、大きく優位に立てるとも言えます。

ではビジネスにふさわしい装いとはいったい、どのように考えればよいのでしょうか?

ビジネスファッションはTPOではなくRPOで考える

ビジネスファッションでは単におしゃれであればいいわけではありません。必要なのは、相手の期待に応えること。自分の役割や地位、そのときどきの期待に応えられる装いであることが求められるのです。

「ファッションはTPOに合わせましょう」という言葉を聞いたことはあるでしょう。TPOとはTime(時間帯)、Place(場所)、Occasion(場面)の頭文字をとったものです。ビジネスの場合には、Role(役割)、Position(地位)、Occasion(場面)が期待に応えるために必要な3要素です。頭文字をとってRPOと覚えてみてください。

Role(役割)は、業種や職業、仕事の内容によって決まります。同じ営業職と言っても生保業界、IT業界など業界や取り扱う商品・サービスによっても変わってきます。Position(地位)も同じ営業職と言っても、新人と管理職ではふさわしい装いは異なります。地位が上がれば、遠目で見たときに誰がリーダーなのかがわかる装いにする必要があります。

最後のOccasion(場面)は、通常業務、顧客へのプレゼンテーション、イベントでのスピーチ、雑誌取材など場面によって、使い分けられるといいでしょう。そこで何を期待されているのかを把握し、それに相応しい装いになっているかどうかを確認していくわけです。

私の例で言えば、同じコンサルタントというRole(役割)でも、業務改革コンサルタントなのか、新規事業戦略コンサルタントなのか、人材育成コンサルタントなのかというコンサルティングの種類によって、それぞれかっちりしたグレースーツ、デザイン性のあるスーツ、白いジャケットにワンピースで柔らかめの装いなど、装いの大方針を決めています。

Position(地位)への対応としては、キャリアステージが上がる前後が特に重要です。自分が昇進候補になっている(と感じる)場合には、昇進してから素敵なスーツを買うよりも、その前に相応しい装いにしてしまったほうが、昇進させるほうも「この人でいいのだ」と確信を持ちやすくなります。装いが変われば、自分の立ち居振る舞いや周囲の見る目も自然と変わってきますので、目指すポジションにあった装いを先にしておくとよいでしょう。

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