もちろん話し合いをたくさんして、最終的にボスが決断することもあります。そのときにはボスの決断を尊重します。すべての人が納得する決定はできないこともあるということも理解しているので、そういうときに「いや、自分はそうは思わない」というように食い下がったりもしません。
でも、階級社会ではなく、ボスとの距離も近いので、相談などは気軽にできる雰囲気です。決定が必要なときには、すぐボスの元に行って話をするのが当たり前なので、いろいろなことがスムーズに進みます。
――日本のようにボスの顔色をうかがって、タイミングを見計らうことはないのですね。
ユッカ・パヤリネンさん:それは非効率です。
――フィンランドでは話し方も、とっても率直だと聞きました。
ユッカ・パヤリネンさん:とてもダイレクトです。できないことは「できない」と率直に言います。日本人ははっきり言わないので、時々何を言いたいのかわからないときがありますね。
フィンランドでは物事は誇張せずに、また良い顔をして、できないものをできるとは言わないほうがいいでしょう。直接的な会話が好まれます。
約束をしたら、それは守られると思って大丈夫です。そこは信頼できます。逆に、日本人も約束をしたら守らなければなりません。
時間感覚も日本と似ていますね。たとえば、6時に始まって8時に終わると予定されているとちゃんと6時に始まり、8時に終わります。ミーティングなどの終わりの時間も決まっているので、効率的に進んでいきます。
また、打ち合わせの話の中で沈黙の時間があったとしても、何か話をして埋めなくてはなど思わなくても大丈夫です。
「Silence is Gold」ということわざがあるぐらいで、間(ま)も大切にします。そこも日本と似ていますね。
居酒屋に誘っても……たぶん断られます
とにかく、短い時間の間で仕事を進めなければならず、効率が重視されるので、余計なものはなるべく省き、それぞれが責任を持って仕事をします。上司も部下の日々の小さなこと、許可のための判を何枚も押さなければいけなかったり、報告書をたくさん読むというようなことはしません。上司は、自分がしなければいけないことに集中できるのです。
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