当然のようにシステム投資金額も抑えられている。
「システムはやり方。おカネをかければ何でも可能なのがシステムだが、それでは駄目。いかにコストをかけないで組み上げるか。これが、いちばん重要だ。人数もそうだが、システム投資も同じ。一般的に家電量販店のシステム投資は売上げの0.5%だと言われるが、うちはもっと圧倒的に低い」と飯塚氏は、胸を張る。
なんと飯塚氏自身も2年前までは、自らプログラムを書き、開発をしていたという。売り上げ規模約2兆円の家電量販店の副社長が、プログラミングをする。何とも驚くべき話だが、実はこれは経営の強みになる。
システムの構造や仕組みを理解しているため、経営サイドから直接、的確に迅速な指示ができる。「できないとは言わせない。中身をすべてわかっているから言える」と飯塚氏は笑う。
ITコストの低さは、ローコスト経営に直結する。結果的に低価格路線の大きな武器になるのだ。
ヤマダ電機のIT関連コストは非公開だが、高い営業利益率がローコスト経営を証明している。2012年3月期のヤマダ電機のそれは4.85%、一方、2位のエディオンは1.22%とヤマダ電機の4分の1の水準にとどまった。
世間を席巻するショールーミングに対し、真正面から戦うという姿勢は、自らのローコスト経営への自信が根底にあった。
ECで、売上高1000億円を目指せ
今、その飯塚氏が挑む新たな挑戦が、ネットとリアル店舗の融合だ。IT化はローコスト経営を支えるだけではなく、市場拡大の役割も担う。
守りではなく、”攻めのO2O”を実現していこうというのだ。
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