打倒アマゾン!ヤマダ電機、気迫のO2O ”ショールーミング”とは、真正面から徹底的に戦う

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「価格で勝負する」という言葉の背景にあるものは何か。

まずは、ヤマダ電機の規模の大きさ。仕入れ価格を徹底して抑えることができる。だがそれだけではない。ヤマダ電機の低価格販売を支えるのは、徹底したローコスト経営だ。そして、そのコスト削減に大きく貢献するのがITの活用だ。

開発は、ベンチャー並みの少人数体制

「私は今の山田会長にだるまストーブにあたりながら、入社面接をしてもらった。そのとき『POSシステムを入れたい。販売管理の機械化をしたいんだ。入社しないか』、と言われた」。飯塚氏は、山田会長との出会いをそう振り返る。28年前のことだ。

だるまストーブにあたりながら、山田会長自ら面接をした時代から、飯塚副社長はともに戦ってきた(写真は創業時の店舗)

飯塚氏は、業界初のPOSシステム導入を手掛け、現在に至るまでヤマダ電機のIT化を推進、統括してきた人物だ。業界で知らぬ者はいない。

山田会長の絶大な信頼のもと、28歳という若さで取締役、43歳で副社長に抜擢される。山田会長がITを重要視していることの現れだ。

確かに、業務コストの削減にIT化は欠かせない。だが、システム投資自体に莫大なコストがかかる、という側面がある。業務コストは削減したい。でもITコストはかけたくない。世の企業の悩みだ。ヤマダ電機は、そのIT化そのものに徹底したコスト削減を貫いた。

飯塚氏主導の下、ヤマダ電機の自社システムは、外注に頼らず、店舗のPOS以外はすべて内製だという。信じがたいのがシステム部隊の人数だ。開発チームはなんと全社で5~6名、運用チームが10名だという。まるでベンチャー企業だ。これで、売り上げ規模約2兆円のインフラを支える。

ホスト、物流、ポイント等すべてこの少人数で賄う、という。ITエンジニアとして、数々の開発の現場にいた筆者の理解をはるかに超えている。

ITの世界では、個々人のスキルの差がはっきりとものを言う。Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグは、「1人の有能なハッカーは10人もしくは20人のエンジニアに匹敵する」と言っている。ヤマダ電機の開発メンバーは、まさしく1人が10人力以上の働きをする超スーパープログラマー集団としか思えない。

副社長自ら、プログラムを書く

開発のスピードもまさしくベンチャー企業並みだ。

普通の企業は、システムの開発期間を長くとる。企画提案から始めて3カ月後に出来上がるようにだ。ところがヤマダ電機では、それが1週間から10日程度。長くかかったとしても、2カ月ほどだ。

「半年のプロジェクトなんて基本的にない。修正や簡単な機能追加も、1~2週間のサイクルで行う」(飯塚氏)。

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