銅市況のカギ握る中国 非鉄金属は、世界景気の「体温計」
非鉄金属(銅や亜鉛、鉛、ニッケルなど)のコモディティとしての認知度は、一般的には、貴金属や原油・石油製品、穀物のそれと比較すると、ややマイナーな位置付けにあるようだ。
非鉄金属って、マイナー?
理由は、貴金属や原油などがニューヨーク商品取引所(NYMEX)やシカゴ商品取引所(CME)のような巨大なフロアで派手に取引されている一方、非鉄金属は取引の中心であるロンドン金属取引所(LME)が、それらと比較すると、小さく地味な取引所だからだろうか?
ではなぜ、非鉄金属が地味でマイナーな位置づけのように見えるのだろうか。理由は、目に見えるところでは使われていないことと、経済効果の時間軸が長いからではないか、と考えている。
非鉄金属は、私達の生活にとって、不可欠なものだが、身近と言えるほどの存在ではない。自動車を購入した人が燃費やガソリン代を話題することがあっても、購入した車に銅が何キロ、亜鉛が何キロ、バッテリーに鉛が何キロ、ハイブリッド装置にニッケルが何キロ使われているなど、と語る方はほとんどいない。
しかし、自動車に使われている銅線などは耐久消費財、その自動車工場などで使用される機械設備に付随する銅線は資本財であり、それぞれのフィールドで非鉄金属が果たす役割は広い。
非鉄金属は消費財として、また資本財(機能の一部は生産財としても)としての性格も帯びていることで、景気との関係が密接だ。特に最近では、新興国の経済成長と非鉄金属の動向が結び付けられて説明されることが多くなってきた。さらに、近年の各国の低金利・通貨安政策によって、価値保蔵機能という新しい性格に着目した投資資金が流入していることで、市場構造はより複雑となっている。この新しい性格を加え先述した非鉄金属の2つの性格を踏まえながら、過去を振り返りつつ、今後の価格動向を考えてみる。
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