都市化の質が課題、地方政府の「暴走」懸念 2013年の中国経済を読む

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2012年12月15~16日、翌年の経済政策の方向性を決定する「中央経済工作会議」が開かれた。会議では、海外経済の厳しい状況が続くとの認識の下、成長を維持しつつ、中期的な経済構造改革を進めよう、との意思が示された。また、政策の重点として、昨年同様、「農村問題の改善」や「構造改革の推進」、「国民生活の向上」が示されるとともに、新たに「都市化」が示された。

進む地方の都市化、今後はソフトウエアの整備を重視

中国の都市化率(総人口に占める都市人口の割合)は、11年現在で51.3%(6.9億人)と、10年前に比べて13.6%ポイント上昇(人数では2.1億人増加)した。沿海部に加えて、内陸部の経済開発が進んだことを背景に、都市化が加速している(下グラフ)。

とくに、05年以降は、北京、上海に代表される「一級都市」と呼ばれる大都市で開発テンポが鈍化する一方、「二級都市」以下の中小都市で開発が活発になっており、地方の都市化が進んでいる。

こうした中、中央経済工作会議は、「都市化」を内需拡大の最大の潜在力として位置づけた。確かに、50%台という都市化率は、先進国の70%台に比べてまだ低く、都市化の余地は大きい。

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