都市化の質が課題、地方政府の「暴走」懸念 2013年の中国経済を読む

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戸籍制度の改革、土地管理制度の改善を掲げる

ただし、今回打ち出された「都市化」は、インフラ投資や不動産投資の単なる拡大を狙っている訳ではない。「都市化の質的向上」に力点が置かれている。

具体的には、(1)産業の配置や資源・環境の負担能力を踏まえた都市群の合理的な配置を図ること(適切な計画)、(2)都市の集約化、スマート化、環境改善など環境の理念を貫くこと(環境重視)のほか、(3)都市に流入してきた農民を市民化していくこと(農民の生活・権利重視)、などが基本方針として据えられている。

とりわけ重視されているのが、(3)の都市流入農民の市民化である。中国の都市人口は、「都市在住期間6カ月以上」という定義であり、実は、都市の戸籍の所有者だけでみれば実は、都市化率は35%しかない(前ページのグラフ)。

つまり、都市人口の10人に3人は農村の戸籍のままである。中国では都市の戸籍がなければ教育や医療・福祉などの行政サービスを公平に受けられず、様々な側面において差別を受けるため、それが彼らの消費を抑制したり、定住を阻害したりと、経済にも悪影響を及ぼしている。都市流入農民の市民化はそれを是正しようというものだ。

そして、都市化の質的向上ための政策の大まかな方針も打ち出されている。12年12月18日、国家発展改革委員会が開催した「全国発展改革工作会議」では、都市と農村の戸籍を徐々に一本化していく「戸籍制度改革の加速」や、国土計画の制定や財産権管理面での改革の実施、中央政府と地方政府による土地管理権の分担明確化など「土地管理制度の改善」が盛り込まれた。

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