日本よ、グローバルを超えた先進国をめざせ

弱肉強食のグローバリズムでは、世界はもたない

いきなり、古い話から始めたい。

1972年に開催された札幌オリンピックのときのことだ。日本は、スキーの70メートル級ジャンプ(今のノーマルヒル)で、金銀銅メダルを独占した。日本人が冬季オリンピックでは初めて表彰台を独占した。思い出すと、いまだに涙が出てくるくらいだ。以来、日本のジャンプ陣は日の丸飛行隊と呼ばれるようになった。

理不尽なルール変更は、常に起きるもの

98年の長野オリンピックでも、ラージヒル団体で金メダル、さらにラージヒル個人でも船木和喜選手が金メダルを獲得するなど、日本は大活躍だった。

ところがIOC(国際オリンピック委員会)はその後、スキーの長さ規制を検討した。長野五輪までは「身長+80cm」のスキーの使用が許されていたが、「選手の安全を考え、飛び過ぎを防ぐ」という理由で、長野五輪以降は「身長の146%」へと変更されたのだ。明らかに小柄な選手が多い日本人に、不利なルール改正であった。これ以来、日本のジャンプはメダルから遠のいてしまった。さみしい限りだが、グローバルなルール変更とは、こんなものだ。

経済界にも、同様の話はいくらでもある。BIS規制やIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)や信用格付け、そしてISOやコンプライアンスなども、風土も歴史も全く違う経済条件を国際基準(実際には米国基準に近い)のルールに合わせるための押し付けルールだ。いずれにせよ、欧米が中心になって、グローバル化を声高に唱え、勝手にルールを決めているのだ。

次ページお人好しな日本人がまだまだ多い?
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • フランスから日本を語る
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 財新
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT