日本よ、グローバルを超えた先進国をめざせ 弱肉強食のグローバリズムでは、世界はもたない

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しかも、そうしたグローバル時代にもかかわらず、日本の税制は中途半端で、自国民ばかり苦しめ、外国人にとっては美味しい税制になっている、と主張する友人がいる。

たとえば、我々資源ビジネスの競合相手は、外国から日本に支店を置いて日本市場に営業を仕掛けるグローバル企業である。彼らは多くの場合は「オフショアカンパニー」である。

ここでいうオフショアカンパニーとは、完全に租税回避をする企業を指す。彼らは日本で営業活動をしているが、企業税も所得税もほとんど払っていない。販売方法は海外から直接日本市場へ。外国籍の営業マンの給料は海外払いだ。日本に住んでいるが、住民票は海外にある。本社をケイマン島とかブリティッシュ・バージンアイランド(BVI)に置いている。つまり、タックスヘイブン(租税回避国)に設立された会社なのだが、サモア、アンギラ バハマ、ベリーズ パナマ、セイシェルなど数えればきりがない。

資源企業の多くはオフショアカンパニーである

そもそも、資源企業の多くはタックスヘイブンを利用している。具体的な例をあげよう。レアメタルや非鉄資源の採掘権を有する資源企業の多くは、オフショアに会社をもっている。オーストラリアやカナダなどの鉱山に出資しているグローバル企業は経営権を持っているが、その主要株主の多くは、租税回避国から出資しているケースが多い。実際シンガポールに本社をおいている多国籍企業も、たくみにオフショアを利用しながら、租税を回避しているような企業が多い。

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