銅市況のカギ握る中国

非鉄金属は、世界景気の「体温計」

昨年の6月に、LMEは香港取引所に買収されたので、それが嫌われ資金流出したのだ、という指摘はあったがLMEの残玉が低下している中、SFEの残玉は増加していた。LME/SFE間の裁定取引解消の結果としても、SFEに残玉があることは変わりない。

そしてまた昨年は7年ぶりの取引レンジの狭さとなり、日中の価格変動も物足りない動きだった。材料難だったという意見もあるのだが、中国による銅地金輸入は昨年最大の年となっている。香港取引所によるLME買収の動きとは全く別の次元で、中国による銅価格への影響力は増してきている。

2009年初めや2011年央を見ると、LMEの残玉は80%以上あったが、徐々に低下し、昨年6月頃には初めて70%を割っている。今後の非鉄金属価格の動向を把握する際、LMEの動向に以上に、重要な要素となる可能性がある。

今後の価格見通しは?

この原稿を書いている2月中旬現在、LME3ヵ月先物価格は銅8250、亜鉛2200、鉛2410、ニッケル18300(単位は全て米ドル/トン)で取引されている。年初より世界的に株価が堅調でリスクアセットに資金が流れやすいい状況となっている。そのため、今後の世界経済の成長期待が強いこともあり、非鉄金属価格は年初より上昇している。

しかし、これまで見てきたように先進国の経済成長は非鉄金属需要に対し中立的で価格上昇の要因としてはやや不足なのではないか、と考える。では、中国次第なのか、と問われれば「そうです!」と答えるのだが、その中国も今年は政権交代の年であり、見極めが難しい。2003年や2009年のような、サプライズはないと考える。過去10年の投資で中国は見事に近代化したことで、今後しばらくは成長後のメンテナンスの時期に入るのでは、と見ている。

この観点からは、銅は9000ドルが上値のメドになり、過去3年にわたりささえられてきた6000ドルが下値のメドとなる。同様に、亜鉛については1700~2400、ニッケルは1万5000~2万2000ドルと考えている。用途が集中している鉛については、その時々の過不足が市況に反映されやすいことから1700~2700ドルの相対的に広い価格レンジを想定している。

現在の各金属市場に過熱感はないものの、年初より成長期待が先行し過ぎているようで、目先はダウンサイドリスクの方が高いのではないか。アップサイドリスクは、2009年のように中国が「巨額の」財政支出に動いた際で、それぞれの価格レンジは10~20%程度切りあがって行くものと思われる。

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