生産量が減っても、経済成長はできる 知ってるつもり!?読んでナットク 経済学「キホンのき」

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社会保障分野のサービスは、公的な機関や社会保険などの公的な制度を通じて提供されることが多い。これはすべての人が平等にサービスを享受できるようにという意図から行われているものだ。しかし、多くの人が賛成する社会保障負担の水準に合わせるために、価格を低く抑えざるを得ず、結果的に供給の増加を阻害している面がある。

「すべての人に十分なサービスを提供したい」という善意の意図とは裏腹に、現実には非常に多くの人を、不満足なサービスで我慢させることになっている。サービス業主導による経済成長を実現するためには、技術進歩に関する誤解を解消すると同時に、このような政策意図と現実の乖離を埋めることも行っていく必要がある。

櫨 浩一 学習院大学 特別客員教授

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はじ こういち / Koichi Haji

1955年生まれ。東京大学理学部卒業。同大学院理学系研究科修士課程修了。1981年経済企画庁(現内閣府)入庁、1992年からニッセイ基礎研究所。2012年同社専務理事。2020年4月より学習院大学経済学部特別客員教授。東京工業大学大学院社会理工学研究科連携教授。著書に『貯蓄率ゼロ経済』(日経ビジネス人文庫)、『日本経済が何をやってもダメな本当の理由』(日本経済新聞出版社、2011年6月)、『日本経済の呪縛―日本を惑わす金融資産という幻想 』(東洋経済新報社、2014年3月)。経済の短期的な動向だけでなく、長期的な構造変化に注目している

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