採用担当者を悩ます「オヤカク」対策って何? 就職面接に親同伴、内定拒む親…驚きの実態

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就職活動では親の存在が無視できない状況になっている(写真:xiangtao / PIXTA)

就活用語として定着した「オワハラ」だが、一方で最近の企業採用担当者を悩ます言葉が「オヤカク」である。

「オワハラ」とは、「就活終われハラスメント」の略で、企業が就活学生に内定を出す際や内定を出した後に、「他社への就職活動をやめさせる、あるいは他社の内定を辞退するよう迫る行為」のこと。大手企業の選考時期がかつての4月から、8月あるいは6月へと後ろ倒しとなった2016年卒生の採用活動以降に目立つようになった。大手企業の選考が本格化する前に、早期に優秀な学生を囲い込みたい企業によって行われることが多い。

「親の反対で内定辞退」という例が続出

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一方の「オヤカク」とは、企業が内定を出した学生に対して、「当社への入社を親は承諾しているか」を確認する、または企業が内定学生の親に直接連絡を取って説明、確認する行為のことである。なぜそんなことが必要となってきたのか。それは、内定辞退が学生本人の意思によるものではなく、親の反対によって起こる例が増えてきたためである。

今や、就職先を決める際、親に確認をとる学生は少なくない。以前から就職先が決まれば親に報告をしていたが、それはあくまでも「報告」であって、「相談」や「確認」ではない。学生からすれば、その企業への就職を目指して業界研究や企業研究を重ね、説明会や面接を通じて何度もその会社の人事担当や社員と直接会って話を聞いてきており、その会社に関する知識量で親に負けることはあり得ない。学生本人の志向や意向が最優先されるのは当然のことである。

にもかかわらず、「報告」ではなく「相談」「確認」に変わってきた背景には、就職活動に対する親の関わり方が変わってきたことが挙げられる。少子化の中で、ひとり息子やひとり娘に対する「教育」や「就職」への思い入れが、かつてと比べると格段に強くなっている。授業料が十数万~数十万円といわれる高額な就職塾が活況を呈している例からもわかるだろう。その授業料を負担しているのは、多くの場合、学生本人ではなく、その親である。

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