7月9日、東京ビッグサイトで開かれたマイナビ主催のインターンシップ合同説明会の会場は雨模様にもかかわらず、学生たちでごった返していた。100社以上が出展し、当日訪れた学生は約6500人。私服の学生がほとんどで、見た目は本格的な就活モードではないが、学生たちは熱心に企業のブースを回っていた。会場を訪れた工学部3年の学生は「先輩からインターンシップは体験した方がいいと言われた。自己分析を始めることもできるし、就活の備えにもなる」と意欲的だった。
7割以上がインターンシップに参加
ここ最近、こうした就職ナビ会社や大学のキャリアセンターを通じてインターンシップに参加する学生は増えている。キャリタスリサーチ(ディスコ社)の調べによると、2017年卒業生のうち2015年11月の調査時点で参加経験のある学生は74.6%。前年の同調査を6ポイント上回っている。2013年卒生の同時期の参加経験が44.2%だったので、ここ数年でかなり浸透してきていることがわかる。今年(2018年卒生)の参加はさらに増えるものと予想される。インターンシップの取り組みを始める企業もここ数年で大幅に伸びている。
インターンシップのメリットについては、7月7日配信の「インターンシップは就活を成功させる近道だ」にある通りで、採用活動の一環として考えている企業は少なくない。水面下で参加した学生に対して内々定を出したり、一次試験の免除といった優遇策を実施したりするケースが見られる。貴重な就業体験の場という意義はあるが、学生も採用に結びつくことがあることを知っており、それを意識して参加しているケースも多い。
そんな中、ある会議が採用担当者ら就職関係者の間で注目の的となっている。
7月12日、文部科学省の会議室にはキャリア教育や人材問題の専門家に加え、地方でインターンシップの仲介をする担当者や、経団連や経済同友会、日本商工会議所、中小企業団体中央会といった経済団体の面々が顔をそろえていた。会議の名称は「インターンシップ等に関する調査研究協力者会議」。目的は「適正なインターンシップの普及に向けた方策やさらなる推進に向けた具体的な方策等を検討」することだ。文部科学省や経済産業省、厚生労働省の担当者も加わり、ヒアリングや実態調査などを実施、年度内に議論をまとめて、新たな「インターンシップガイド」を作成するのが最終目標だ。
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