地方の大学が「東京駅周辺」に集結するワケ 就活支援を強化して就職実績の向上が狙い

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関西学院大学の東京丸の内キャンパスはJR東京駅から徒歩0分(撮影:尾形文繁)

最近、リクルートスーツ姿で大きなキャリーバッグを転がしながらオフィス街を歩いている学生をよく見かける。彼らは地方大学の学生で、就活のために夜行バスやLCC(格安航空会社)を使って上京してくるのだ。

移動だけでも疲れているのに、活動拠点がないため、大きなバッグを持ち歩かなければならない。また、夜行バスは早朝に着くので、会社訪問が始まるまで時間を潰さなくてはならない。カフェで長時間粘ったり、駅のベンチに座って過ごすのは快適とはいえず、疲労が増すばかりだ。

すでに全国の大学の半数は定員割れだが、今後少子化が進めば大学間の学生の奪い合いはさらに熾烈なものになる。その時に重要となるのが就職実績だ。就職実績が高くなければ、優秀な学生は集まらず大学の存亡にかかわる。このため、東京での就活支援を強化する地方大学が増えている。

東京駅隣接のビルに地方10大学が集結

JR東京駅日本橋口に隣接するサピアタワー。8~10Fには12の大学が入居しており、そのうちの10校は東京都以外に本部を持つ地方大学だ。10階には、関西学院大学の東京丸の内キャンパスがある。2007年3月のサピアタワー竣工と同時にオープンした。

関西学院では、2016年4月に就職した学生の44.4%が東京に本社を持つ企業に就職した。この比率は年々上昇している。東京本社の企業は説明会や1次面接を関西で実施しても、それ以降の面接は東京で行う。東京本社の企業に就職するには上京は必須という状況だ。このため、同キャンパスは関学生の就活拠点としてなくてはならない。

10階でエレベーターを降りて同キャンパスに入ると、開放的なロビーが拡がっている。就活関連の書籍や資料が置いてあって大学のキャリアセンターに雰囲気が似ている。

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