インターン採用解禁は一括採用制を壊す道か 企業は積極派、省庁間は賛否両論の複雑事情

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現状追認型のように見えるが、このインターンシップ採用解禁には、新卒採用の枠組みを大きく変える可能性があるとの指摘がある。

就職活動解禁日が有名無実化に

「新卒採用の一括方式が崩れる可能性がある」と話すのは、採用コンサルタントの谷出正直氏。企業側も採用スケジュールにこだわらず早い段階からインターンシップを通して学生と接触することができるだけでなく、これまで募集要項などが発表される広報活動解禁日にあわせて大学や学生、企業がスケジュールを組んでいたが、それが有名無実化すると見ている。文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所・平野恵子主任研究員も「仮にその年の卒業生にいい人材がいなければ翌年の優秀な学生に声をかければいい。1~2年生でも採用基準に達していれば企業は触手を伸ばす」と指摘する。

実際、企業の間では、より優秀な学生を確保できるよう就職活動を始める前の1~2年生の学生に接触を図る取り組みを行っているという。SNSなど接触を図るツールが増えており、そうした活動へのハードルは低くなっている。

採用の在り方については、新経済連盟や経済同友会が一括採用から通年採用など別の採用方法を提言しており、採用スケジュールにのっとった一括採用の継続が前提の経団連と温度差がある。大学など教育界は、長年就職活動の早期化や青田買い、学業への影響を問題視しており、そうした問題を助長するインターンシップの制度になれば両手を挙げて賛成することは難しいだろう。また省庁間でも、内閣府や経産省が採用への解禁に前向きな一方、厚労省や文科省は消極的と見られている。いずれにしても、この協力者会議等の場で、それぞれの立場から活発な議論が繰り広げられると思われる。

インターンシップは、学生にとっては「キャリア形成のための職業体験」「企業の理解の促進」につながる。内容が充実したインターンシップを行う企業が増え、学生の参加機会が増えることは歓迎すべきで、それに対して反対する人はいないだろう。議論の結果、そうした環境が実現できることが期待される。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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