採用担当者を悩ます「オヤカク」対策って何? 就職面接に親同伴、内定拒む親…驚きの実態

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そうした就職塾側も親心をくすぐるような口説き文句を使っている。「小学校、中学校、高校と塾や予備校にいくら費やしてきたんですか?いい大学へ入れるためですか?大学に入ればそれでいいんですか?大学はゴールじゃありません。ゴールは就職です。就職に失敗してしまえば、これまで費やしてきた何百万円が無駄になるんですよ。それを考えたら就職塾の授業料なんて安いものです。就職先によっては、生涯賃金で1億円もの差がつくこともあるんですから」。どうだろう。こう言われてきっぱり断れる親がどれほどいることだろう。実に巧妙である。

入社式の親同伴や家庭訪問を実施

そうした親の就職への関与が強まる中、対策を行う企業が増えている。HR総研による企業へのアンケート調査によると、学生の就職先決定に影響力を持つ親向けに何らかの対策を実施しているかを聞いたところ、12%の企業が「実施する」と回答している。「未定」とする企業が18%もあり、実際にはもっと多くの企業が親対策を実施しているものと思われる。

では、具体的にどんなことを実施しているのだろうか。回答してもらったフリーコメントを紹介する。

・親への会社情報資料の送付
・会社DVDの配布
・採用ホームページのリニューアルを期に、親御さん向けのページを作成
・親向けに内定理由通知書と会社案内やパンフレットの送付
・内々定受諾後には必ず即日ご両親へ手書きの手紙と、当社の商品を送ります
・内々定承諾段階で人事総務部長名での挨拶状送付
・内定式の写真などをご両親にも送る
・父兄の同意書をとる
・御挨拶の電話かけをしている
・経営者・採用担当が家庭に訪問し親御さんの不安を払しょくしている
・親の企業訪問
・今まで内定者(学生)のみを「内定者懇談会」に呼んでいたが、今回は親御さんもお越しいただけるようにするのはどうかという案が出ている

 

親向けに手紙や会社資料、メーカーであれば自社製品の発送といったコメントが多いが、中には「家庭訪問」「会社見学」といった対策を取っている企業もある。最後に紹介したコメントは、「案も出ている」ということで実施が決まってはないようだが、今後、学生だけの内定者懇談会に親が同席することも十分あり得る話である。

今年4月、藤井フミヤ夫妻がフジテレビの入社式にアナウンサーとして入社する息子に同席したことが話題になったが、最近では入社式に親が同席することは珍しくなくなった。サッポロビールでは、入社式に同席する家族の交通費の一部を負担するだけでなく、式典の後には会社見学、さらにはビアレストランでの家族の懇親会まで開催している。

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