こうした「オヤカク」は、内定辞退を防ぐだけでなく、親を味方につけることで入社後の早期転職を抑制する効果も期待されているようだ。
内定後「倒産の心配はないか」と聞く母親
就職活動に対する親の関わり方について、採用担当者から寄せられたエピソードを紹介しておこう。
・内定を出した後、3月上旬になっても、引っ越し(一人暮らし)を親から認められていない内定者がいた
・合同説明会に保護者が来場していることに驚きました。ブースで学生に企業説明をしているときに、見学に来ている保護者と思われる女性2人が当社の入社案内を黙って取って行きました。大人なのだから一言断って欲しい
・合同説明会で娘さんが着席されて、お母様が社員に質問していたのが印象的だった
・エントリーシートを提出してくれた学生全員にエントリーへの感謝の気持ちを込めて、自社商品を送付しているが、通過しなかった学生の親から通過できずに落ち込んでいるのに、追い打ちをかけるように商品をアピールすることはやめてほしい、というクレームがあった
・採用面接に親同伴で来たことがあった
・以前は女子学生が親と相談するという傾向が強かったが、ここ数年はむしろ男子学生の方が親と相談して決めたいという傾向が強くなったように思う
・内定の連絡後、母親から「倒産の心配はないか」と電話があった
・親が自社製品を嫌うため辞退する、といったケースがあった
・内定面談時に、「これについて聞いておけと親に言われた」といって質問してくる学生がいた
・選考会不参加の連絡を親御さんからあった
・親から「就職人気企業ランキング」に入っている会社以外認めないと言われているという学生がいた
当事者としては子どものために何かしてあげたいという気持ちはわからないではないが、これから社会に出ていく“成人”に対してあまりに過保護ではないだろうか。過干渉は子どものためにはよくないことを分かってほしい。今年の就活生、あるいはこれから就活を迎える子どもを持つ親世代の方にはぜひ読んでほしい。第三者の目で読んで、どう思われるだろうか。最後に採用担当者からの本音のコメントを紹介して終わりにしたい。
「内定を承諾するかどうかの時に『親の意見を聞いて決めます』という学生がいる。親の意見も大事だが、自分で決められないの?と思ってしまう。親の意見を聞きたいにしても、採用担当には『もう少し考えたい』といえばよい話で、『親に相談』という必要はない。あまりに『親』と何度も言われると、入社してからも何かあるたびに『親』が出てくるのではないかと勘繰ってしまう」
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