投票に行かない?そんな若者は本当にバカだ 田原総一朗が喝!「その一票が政治を動かす」

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木本:アベノミクスはまだ道半ばですよね。今の段階では、なかなか判断がつかないような気もします。

田原:それを言い出したら、いつだって道半ばでしょう。ただひとつだけいえること。国民が安倍政権に対して安心しているのは、株価が悪くないからです。旧民主党政権時に日経平均株価はほぼ8000円台だった。それが、安倍政権になって1万5000〜1万6000円になっている。これが安倍政権の経済政策はなんとなくいい、と思わせる要因でしょうね。

木本:私は安倍さん頑張っているんじゃないかと思っているんです。だからこそ多くの国民が支持しているわけで。

安倍政権は選挙後に後出しで大事なことを決める

田原総一朗(たはら そういちろう) /1934年滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画、東京12チャンネル(現テレビ東京)勤務を経て、フリーのジャーナリストに。『朝まで生テレビ』『サンデープロジェクト』(ともにテレビ朝日系)でテレビジャーナリズムに風穴を開ける。番組に出演した総理大臣を3人失脚させた伝説を持つ。著書に『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)、最新刊に『変貌する自民党の正体』(ベスト新書)『トットちゃんとソウくんの戦争』(講談社)などがある

田原:そうでしょうね。だから選挙に勝ち続けている。第一次政権では参院選で負けているけど、第二次政権では、参院選1回、衆院選2回と、3連勝している。その結果、今回の政権は長期政権になっている。小泉さん以降、多くの総理が1年で辞めているのに、彼はもう3年以上やっているからね。

木本:昔はひと内閣ひとテーマといわれていたような気もします。それに対して安倍政権はけっこう多くのテーマをこなしているように思うんです。

田原:それは長いからだね。いろんなテーマといっても、実は彼はそれを選挙の争点にしていない。選挙が近づくとアベノミクスがうまくいっているか、うまくいっていないかを争点にしてしまう。

でも安倍政権は別の狙いを持っている。2013年7月の参院選に勝利した後に特定秘密保護法をやったり、あるいは2014年末の衆議院の選挙が終わると安保関連法案を通したり。今回の選挙も本当のテーマは憲法改正。公明党とおおさか維新の会を含めて参議院で3分の2以上の議席を取れば憲法改正をしたいんでしょうね。

木本:そうなんですか。今回の選挙には本当のテーマが隠されているんですね。

田原:そう。隠れたテーマは憲法改正。自民党の目標は明らかに憲法改正です。

木本:これ、重要な話なので詳しく聞きます。その前に伺いたいのが日本の選挙は投票率がものすごく低い、という問題なんです。選挙に行かない大人って多いですよね。今回の選挙からは18歳、19歳にも選挙権を与えられるのにお手本にならない、というか……。

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