自民党の「憲法改正草案」、今こそ読むべきだ 参議院選挙の公示にあわせて「解説書」が登場

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右が、1947年に作成された「あたらしい憲法のはなし」。今回発売された改正草案の解説書は、どのような中身になっているのか?

6月22日、第24回参議院選挙が公示された。7月10日の投票日に向けて、18日間にわたる選挙戦がスタートする。安倍首相は在任中の憲法改正を悲願に掲げているが、街頭演説ではこの話題に積極的に触れることはないようだ。これまでは「改正する条文が定まっていない」ことを理由に争点化を避けていたが、ここへきて21日の記者クラブ主催の討論会では「争点化しないとは言っていない」と発言するなど、若干ブレが出てきている。

既に衆議院では与党勢力が3分の2を上回っており、今回の参議院選挙の結果次第では、憲法改正の発議は現実味を帯びてくるだろう。そして、自民党は、野党時代である2012年4月27日に発表した「日本国憲法改正草案」(以下、憲法改正草案)において、新憲法をどのような方向性にするか、既に道筋を示している。

70年前の社会科教科書が、形を変えて出現

しかし、憲法改正草案の条文だけを読んでも、人々は何が重要なポイントなのかを理解することはむずかしい。そこで、内容をより分かりやすく解説する、一冊のブックレットが発売された。それが、『あたらしい憲法草案のはなし』だ。

本書は、現行日本国憲法が制定された1947年に発行された「あたらしい憲法のはなし」のパロディとして作られている。 70年の時を経て、このような冊子が世に登場することになったのはなぜか。

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