田原:だから真剣に考えなくては。僕は年金制度を抜本的に改革したほうがいいと思っている。積み立て方式に変えて、自分が払った年金を自分がもらう形にするのがいい。
でも移行するときに大きな問題がある。いま年金をもらっている人は、現役で働いている人たちが払っているおカネをもらっている。積み立て方式にすると、いま年金をもらっている人がもらえなくなるから、それを国が払わないといけない。そのために750兆円くらい必要になるといわれている。こんあ膨大な財源をどうするか。いますでに政府には1000兆円の借金があるといわれているけれど、ここからさらに750兆円増えたらどうするか。
僕はこうした大きな仕組みの変換を行う際には時間を掛けていいと思う。100年かけて返していけばいい。100で割れば年間7兆5000億円ですから、消費税を3%分とだいたい同じです。これは負担できないような金額ではない。
でも厚生労働省の役人とそんな話をすると、そんなこといっても誰もオッケーしないですよ、という。その結果、今後はどうせざるをえないか。年金受給開始年齢をさらに引き上げて、もらえる期間をどんどん短くせざるをえない。究極的には、今の若い人達は負担だけさせられて、何ももらえなくなりますよ。
「投票には必ず行ってください」
木本:それは厳しいですね。年金がもらえなくなる、という話は都市伝説のたぐいではないかと思っていましたが。
田原:そんなことはない。実際に確実に起こることです。
僕らの世代はすでにもらっているから関係ない。でも、木本さんの世代には切実でしょう? だから若い世代こそ、いまの政治のあり方に関心を持たないといけない。だから投票には必ず行ってください。
木本:もちろん行くようにします。周りにも一票を投じるよう、声掛けします。
(構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)
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