公的年金の運用損益は速やかに公開すべき 「直ちに影響はない」とだけ言うのは姑息だ

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公的年金の運用損は5兆円規模と言われているが…(写真:ロイター/アフロ)

公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、今年3月末が期末の平成27年度の運用実績を、来たる日曜日である7月10日に参議院選挙の後に公表するという。例年、7月上旬に発表していた数字を、今年は遅らせて発表するので、選挙を前にした政治的な駆け引きの影響を受けたものだと巷間言われている。本当にそうなのだとすれば、姑息(こそく)としか言いようがない情けなさだが、真相は分からない。

ところで、「姑息」という文字を書いてみて思ったのだが、「こそく」という言葉に「姑(しゅうとめ)の息」という文字を当てるとは、日本語とはつくづく恐ろしい言語だ。

損益は事実として直ちに受け入れる

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本論に戻ると、公的年金の運用は、国民のお金を半ば強制的に預かって運用しているのだから、その損益状況については、できるだけ速やかに速報値を公表すべきだろう。もちろん、運用にマイナスに働くような情報(直近時点での銘柄別保有株数のような情報)は、直ちに公開する必要は無い。少なくとも、相当程度の時間のズレを持たせて公開すれば十分だ。しかし、運用損益全体はなるべく速やかに公開すべきだろう。

理由は簡単で、それが国民の将来の年金受取額ないし保険料に影響するからだ。そもそも、年金の受け取りにも保険料にも影響が無いなら、リスクを取って手間をかけてまで巨額の資金を運用する必要が無い。運用で損をしても、「直ちに影響は無い」とだけ言うのは、それこそ姑息だ。

「長期運用なので、短期の損は心配ない」という言い方も正しくない。今生じた損が、長期なら必ず取り戻せると考えられる根拠は存在しない。その時々の損益を、事実として直ちに受け入れるのが正しい。これは、個人の資産運用にも言えることであり、公的年金の運用にも言えることだ。

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