「年金運用で巨額評価損」という不都合な真実

野党が「参院選前に開示せよ」と主張

4月1日にGPIF新理事長に就任した高橋則広氏。民進党は、GPIFの運用概況書の発表時期を早めるべき、と政府を批判している(写真:ロイター/アフロ)

「これでは隠ぺいではないか!」――。4月6日夕方に国会内で開かれた「年金損失『5兆円』追及チーム」の会合では、民進党議員の怒りの声が飛びかっていた。

理由は年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)が2015年度の運用概況書の公表日を7月29日にしたことについて、彼らを納得させる説明ができなかったからだ。なぜ公表日にこだわるのかといえば、7月の参議院選挙が密接に絡んでいるから。GPIFの運用環境は極めて悪く巨額の評価損が出ている可能性が高い。そのため、公表日を選挙後とすることで自公政権が選挙への悪影響を避けようとしている疑いが出ているのである。

以下、その詳細を見ていこう。

「7月末まで」でいいのか?

「(平成)27年度計画」によれば、「各年度の管理及び運用実績の状況については7月末までに」情報を公開するというGPIFに対し、「それでは遅い」というのが民進党議員たちの主張だ。

そもそも2007年4月にGPIFが創設されて以来、7月末に運用概況書が公表されたのは初年度だけ(7月31日)。それ以降は6月下旬か7月上旬に公表されてきた。そのため、本来は前倒しが可能なはずだ。

一方で今年改選を迎える議員の任期は7月25日まで。よって投開票日は7月10日か7月17日が有力となっている。

「今年は3年に1度、国民が政治に対して行動を起こせる年だ。だからこそ、投開票日までに情報を国民に公開してほしい」――。「年金損失『5兆円』追及チーム」のメンバーである井坂信彦衆院議員は、年金の数字を次期参院選での国民の判断材料にすべきだと主張した。

次ページなぜ評価損が膨らんでいるのか
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 就職四季報プラスワン
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT