「天才型の子」への理解が圧倒的に足りない 大人はその才能を見つけ、伸ばせるか?

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もし勉強がわからなくなってきても、「いや自分は勉強しなくてもできる人間だ!」と思ってその状況を放置すれば、当然、点数は下がり、成績は落ちます。そのときにも、特に何も言わず、「自分の人生だから自分で考えなさい。必要なことがあれば聞いてあげるから」というスタンスで対応します。こうやって、「努力の必要性を自ら学ぶ」という状態にもっていくのがよいでしょう。

親として我慢するのがなかなか難しく、つい「ああしなさい、こうしなさい」と言ってしまいそうになるかもしれません。しかし、簡単に手出しするよりも、子どもが健康的な生活ができる環境を作ることに専念し、本人の努力や勉強に関しては、あれこれ言わないということが適切な道ではないかと思います。

どうしても「努力」を教えたい場合は?

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成田さんのお子さんは、おそらく中学レベルの学校の授業も簡単で、授業中だけで大半の内容をマスターしてしまうでしょうから、もしどうしても努力ということを教えたいのであれば、部活動や、クラブ活動など、勉強とは異なった領域の分野を勧めてみてはいかがでしょうか。もちろん、強制的にやらせるのではなく、何気なく話をしてみて、関心があるようなことを軽く勧めてみる程度がいいでしょう。強制させると作用反作用の法則が働き失敗します。

親として、子どもの将来を案じるのは、当然のことですよね。しかし、それが行きすぎて、取り越し苦労になってしまうとよくありませんし、その考えや思いが子どもに伝播し、負担になることもあります。焦る気持ちもあるかもしれませんが、親の辛抱が肝心です。ぜひ、どんと構えて、じっくり見守ってあげてはどうでしょうか。

『ぐんぐん伸びる子に育てる』講演会のお知らせ
7月に石田勝紀氏による講演会が実施されます。宜しければご覧ください。
◆7/10(日)13:00~16:00 @東京都二子玉川 詳しくはこちら
◆7/26(火)19:30~21:30 @東京都渋谷区千駄ヶ谷 詳しくはこちら

 

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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