3.まだ、顕在化していない天才くん
一般的な「天才くん」は、学業の中ですべての科目、あるいは一部の科目で特異な才能を発揮しますので、傍目にもよくわかるのですが、学業以外の領域で天才という場合があります。
筆者が関わっている広域制通信の学校に通う生徒には、このようなタイプがたくさんいます。彼らは、勉強ができないからダメだとか、または不登校で社会不適応だとかいうレッテルを貼られてしまっている場合が非常に多くあります。しかし、その見方は一面的です。
たとえば、私が知る生徒の中に、大人との会話が得意で、相手の気持ちを汲んだ話し方ができるという、非常な才能を持った子がいます。成績には現れない分野なので残念ながらそれがうまく評価されていないのですが、その長所を生かせる、人と接することで力を発揮する仕事について働くと、大きく開花するのにと思ってしまいます。
また、てきぱきと行動し、人へのもてなしに長けた子もいます。驚くほど相手の行動を先読みして動くことができるのです。いわば、おもてなしの天才です。
このような子は、ホテルといったサービス業界で働いたり、企業に就職して秘書として働くと大きく才能が開花するかもしれません。
いずれも、単なる長所というレベルではなく、こちらが度肝を抜かれるほど天才的なものをもっているのです。こうした子はなかなか普通の学校教育の中では見いだされないのですが、このような天才くんは明らかに存在します。
成田さんのお子さんの場合
さて、成田さんのお子さんの話に戻りましょう。おそらく、お子さんは上記の1に当てはまると思われます。そこで、成田さんのご質問、「頭の良さだけでは、絶対に限界がくる。努力させるには、どうしたらよいでしょうか?」についての私の考えは次のようなものです。
「無理に努力をさせる必要はない」
努力する子になってもらいたいというお気持ちはとてもよくわかります。しかし、中学1年生になったばかりですから、これだけ頭のよい子であれば、わからなくなってきたら、努力するようになるでしょう。親の“画策”は、子どもはすぐわかりますので、ある方向に子どもをコントロールしても、きっと徒労に終わるでしょう。
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