日本人が知らない「男の更年期」の恐怖 「うつかな?」と思ったらコレを疑え!
「最近まったくヤル気が出ない」「気分が落ち込む」「ちょっとしたことでイライラする」。仕事をする意欲がわかず、なにもかもおっくうで、「オレって、ひょっとしたらうつ?」とひとり悩んでいる方も多いのでは……。
実際、日本の気分障害(うつ病、双極性障害を含む)の患者数は、1999年の44.1万人から、2014年には111.6万人に急増している(厚労省)。会社でもうつ病を発症する人が多く、ビジネスパーソン全体の3%がうつともいわれている。いまやうつ病は、ビジネスパーソンにとってきわめて身近で深刻な病気となっているのだ。
だが、「ヤル気が出ない」といったうつ症状の原因として、うつ病以外のもうひとつの病気の可能性を指摘する医師が増えている。男性ホルモン(テストステロン)低下による「男性更年期障害」が、深刻なうつ症状の原因となっているというのだ。女性更年期のように広く認知されていないが、男性更年期障害が40代以上のビジネスマンに急増しているという。
最近注目を集めはじめた、この男性更年期障害(LOH(ロー)症候群)の実態と正しい対処法を、このたび『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』を上梓した堀江重郎・順天堂大学医学部教授に聞いた。
うつ病と思い込んでしまうケースも
――うつ病だと思い込んでいる人の中には、「男性更年期障害」の人が多いのですか?
男性更年期障害の症状には個人差がありますが、中には体調不良で寝込んだり、気分が落ち込んでうつ病と思い込んでしまうケースもあります。
実際、うつ病患者の多くが、男性ホルモン「テストステロン」の不足に陥っているのに、ほとんどの場合はその可能性すら顧みられていません。そればかりか、大量の抗うつ薬を投与されても治らず、かえって悪化させているケースもあります。抗うつ薬のなかには、テストステロンを下げるものもあるのです。
私のところにきた患者さんでも、2年間にわたり、うつの薬を飲んでいたという方がいらっしゃいました。抗うつ薬を4種類飲んでいたのですが、テストステロンはかなり下がっていました。これまで、テストステロンが下がっているうつ病の患者さんでは、5割を超える人が、テストステロンを補充することで症状が改善しました。
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