日本人が知らない「男の更年期」の恐怖 「うつかな?」と思ったらコレを疑え!
――男性更年期の可能性が高い場合は、どうすればいいのでしょうか?
泌尿器科やメンズヘルス外来で、正確なテストステロンの値を測ってもらってください。費用もさほどかからないし、簡単な血液検査ですぐにわかります。血液1ミリリットル中のテストステロン値の量が、おおむね300~350ナノグラム以下の場合、LOH症候群(男性更年期障害)と診断され、治療の対象となります。
LOH症候群と診断された場合でも、男性ホルモン(テストステロン)補充療法を受ければ、ほとんどの場合、劇的に回復することができます。順天堂大学のメンズヘルス外来では、直接テストステロンを補充する治療よりも、漢方薬などによりテストステロンをつくる働きを高める治療を中心に行い、多くの方が回復されています。
――テストステロン補充療法を受けている人は増えているのでしょうか?
アメリカでは2014年の段階で、40歳以上の男性の30人に1人に当たる170万人がテストステロンを使った治療を受けています。調査から漏れている人を入れれば、この数倍の方がテストステロン補充療法を受けているとされます。
アメリカでは、ちょっとしたテストステロンブームになっています。「テストステロン的だね」というのが、ほめ言葉になっているくらいです。日本でいえば、「マッチョでカッコいいね」といったところでしょうか。
一方、日本で、テストステロンを使った治療を受けている人は2万人にすぎません。これは、韓国やシンガポールなどアジアの国々のなかでも少ないほうです。先ほども申しましたように、日本は、男性ホルモン・テストステロンについての啓発が遅れた「ホルモン後進国」なのです。
――泌尿器科なら、どこでもテストステロンについての治療を受けることができるのでしょうか?
どの泌尿器科でもテストステロンに関する治療を行っているわけではありません。事前にネットなどで調べていかれるといいでしょう。「テストステロン」「男性更年期」「LOH症候群」「男性ホルモン補充療法」などと検索して調べれば、すぐにわかると思います。
また、「日本Men’s Health医学会」のホームページでも男性ホルモン補充療法を受けられるクリニックを紹介しています。ご活用ください。
テストステロンを上げるための10カ条
――自分自身でテストステロンを高める方法はあるのでしょうか?
日常の生活の工夫で、テストステロンを高めることができます。書籍でも紹介した「ドクター堀江のテストステロンを上げるための10カ条」を以下に載せますので、ご参考になさってください。
第2条 仲間とともに行動する……チームスポーツのほうがより効果的です。
第3条 ストレスを解消する……ストレスはテストステロンの大敵です。
第4章 夜更かしをしない……テストステロンは、夜寝ているときに作られます。
第5条 女性と接する……世代を問わず初めて会う女性と話すだけでもいいのです。
第6条 学生時代の友達と会う……利害関係のない友人関係が大事です。
第7章 パワースポットに出かける……自分が元気になれる場所を見つけましょう。
第8章 海に入る!……プールではなく海のほうがテストステロンを上げます。
第9章 「臭い話」で盛り上がる……嗅覚の刺激が効果的です。
第10章 ゲームをする……神経伝達物質ドーパミンがテストステロンを高めます。
この10カ条のほか、テストステロンを増やすためには食生活の改善も有効です。
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