夏野剛(下)「敵がいないヤツは何も決められない」 株主は企業経営者を甘やかしすぎだ

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――じゃあ、滅びるしかなくなる会社が出るかも。

いいじゃないですか。そこが滅びてくれれば、新興企業にもチャンスが生まれますから。銀行だってどんどん統廃合しているのも、事実上潰れているってことじゃないですか。

――合従連衡も結局はリストラが目的で。

リストラでもいいんですよ。そこがチェンジなんです。やっぱり変化が必要なのに、今の体制を保ちすぎなんですよ。だいたい炊飯器のメーカーなんて何社ありますか。重電メーカー、家電メーカーが複数社やってて、専業メーカーまである。一方で、どれだけのマーケットが炊飯器にあるんですか。決断できないってことでしょう?売っちゃったほうがいいじゃないですか。

――どうすれば経営者を替えられますか。

経営者は株主が立ち上がれば切れるんです。

――株主は何をやっているんだという話ですね。

そう。問題は、日本の株主は持ち合いによる機関投資家と高齢者が多い。1450兆円の個人金融資産のうち、1000兆円を持っている60歳以上で、高度成長期に人生を謳歌した方々ですが、多様性に対する理解がきわめて鈍い。株主がいまの企業経営者をかなり甘やかしているという現実があるでしょう。

社外取締役の役割は重要

――経営を監視するためには、社外取締役を活用したほうがいいでしょうか?

僕は絶対必須だと思います。ただ、社外取締役以上に、常勤取締役そのものも外からリクルーティングしてくるような、流動性があることが必要です。

――流動性は大事ですね。

そりゃそうですよ。違う経験があることがどれだけの刺激になるか。飲み会だって同じ会社の人間だけで飲んでいても面白くない。1人、たとえば全然関係ない業種の人が入っていたら面白いじゃないですか。一つのことにいろんな意見が出てくる。これが人間のクリエイティビティの源なんです。クリエイティビティとイノベーションの源は多様性なんです。この多様性を否定する組織をつくりあげすぎたことが日本が弱くなった最大の理由です。教育システムもそうなんですよ。僕はゆとり教育がよかったんじゃないかと思っている。

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