フレディさんは、2011年、前述のJJF大会のチーム部門において全国2位にまで上り詰めた技術をもつ。中学・高校ではパソコン部に所属していて、大学までスポーツ系の部活動の経験は一切ないというが、華麗なクラブさばきに目を見張った。
「大学に入ったときに何か運動をしたかったのだが、体力に自信がなく、激しいスポーツは嫌だった。そんなとき、このサークルに誘われて面白そうだなと思った」
ジャグリングには相当数の技があるが、それを1つひとつ身に付けていく過程で小さな達成感を味わえる。それが積み重なっていくことに喜びを感じるという。
上達への道は、もちろん定期的な練習がベースとなる。
うまく技が決まらないときは、「自分のフォームや腕の角度に、ちょっと気をつける」そうだ。
「やはりジャグリングは“力学系”だと思う。僕が理系だからかもしれないが、この速度で腕を曲げて、手首を曲げたらこうなるかなとだいたいわかるので、考えながら練習をすることもある」(フレディさん)
投げ方ひとつにしても、万人にベストなフォームがあるわけではないという。ビギナーに最低限のコツをアドバイスすることはあるが、ジャグリングでは、おのおのが模索しながら練習するのが主流だ。
そんな彼らの華麗なクラブさばきに、近くで熱心に見入っている男性がいた。
コンピュータ・サイエンスのインターンシップでフィンランドから日本に来ているOtto Lindqvistさんだ。前々から趣味だったジャグリングの練習場所を探していて、友人の大学生から同サークルのことを教えてもらったという。
フィンランドの理系男子も、ボールを投げたり周囲の練習を観察したり談笑しながら楽しんでいる様子だった。
この場所にはジャグリングを通して、さまざまな国の人が遊びに来るという。いわゆる“部外者”も自然に溶け込み、練習することが可能だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら