ソフトバンク“汐留の母”の、超時間術 ド迫力の「ワーク・ワーク・バランス」人生

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この時間をスケジュールの組み立てに使うこともあれば、会社から支給されるアイフォーンのアプリで英語の勉強をすることもある。やるべきことはいくらでもあるから、寝る間も惜しい。

7時~7時半に出社すると、定時の9時までにはまだ時間の余裕がある。この時間は、「“1人ブレスト”や、会議で発表することを“闇練(やみれん=闇練習)”する時間」と決めた。つまりは、各種ミーティングや交渉の準備をする。

ルーチンワークに流されるだけでは、働いている気になっていても、それ以上の付加価値は出せない。用意周到、準備万端は、ミスやトラブルの減少にもつながり、その後の処理を考えるとかえって時間の節約にもなる。だから、沢田さんは1人熟考する時間をねん出するのに心を砕く。

2000人の新人研修という巨大プロジェクトを経験

「私は子どもを産むという1つの選択をしただけ。それをアピールして、ここまでしか働けない、無理ですとは言いたくない」
 「私のせいでチームの仕事が滞るのは、絶対に嫌」
 「育児しながら働くには、体を壊すほど無理することはないが、ちょっとの無理はしたほうがいい」

沢田さんの言葉からは、ストイックな仕事ぶりで、30代にして大組織の課長になった人特有の、責任感と矜持を感じる。

新卒で入ったシステム会社で人事担当になって以来、フリーランスの採用コンサルタント、そしてソフトバンクに転職してからも、一貫して人事畑を歩んできた。

転職は、「将来的に人事分野で独立・起業するためのスキルアップ」が目的だったが、「来るもの拒まず。変化がモチベーションのドライバー」だという沢田さんと、凄まじいスピードで変化を遂げるソフトバンクは「水が合った」。

そのせいか、入社2年でマネジャーに昇進。翌05年には、「2000人の新入社員研修を1カ所で一斉に行う」という、前代未聞のプロジェクトの責任者に抜擢された。

「2000人を新たに受け入れることは、まるで1つの会社を立ち上げるくらい大変でした。ビルを1棟借りして、学校のように、1クラス30人で70組ほどのクラスに分け、それぞれ“クラス担任”を入れ、事故はないかリスク管理するのです。

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