ソフトバンク、イー・アクセス買収後に仰天展開 望まざる買収だった?
ソフトバンクが来年2月に完全子会社化するイー・アクセスについて、全株取得後に出資比率を大幅に引き下げる予定であることが東洋経済の取材で明らかになった。取引先の通信機器メーカーを中心に株式売却や第三者割当増資などを検討しており、出資比率を3分の1未満に引き下げる。イー・アクセスは連結子会社から外れる見込みだ。
ソフトバンクはわずか4週間前にイー・アクセスを約1800億円で買収すると発表したばかりだった。いったい何があったのか。
望まざる買収だった
ソフトバンクはもともと、イー・アクセスを完全子会社化したかったわけではない。電波だけ借りることができればよかったという事情がある。イー・アクセスが使っている1・7ギガヘルツの電波は、次世代高速通信「LTE」の国際標準の帯域で、アップルのアイフォーン5も対応している。電波不足に悩むソフトバンクは、イー・アクセスに料金を支払い、電波を借りようとしていた。
■10月1日の買収発表時には統合効果を強調していた孫正義社長
一気に買収へと傾いたのは、ライバルのKDDIがイー・アクセスの買収に動いたからだ。KDDIに買収された場合、LTEの普及で後れを取る可能性があるうえ、料金を高く設定されるようなことになれば1.7ギガヘルツの電波を借りられなくなる。そうなるとソフトバンクは窮地に陥る。