KDDI社長が疑問投げたソフトバンク戦略

KDDIの強調する「品質」とは

KDDI社長が疑問投げたソフトバンク戦略

国内携帯大手のKDDIは10月17日、11月から発売する冬モデルの新機種を発表した。全機種がLTE(次世代高速通信サービス)に対応し、スマートフォンを経由して、パソコンなどをインターネットに接続する「テザリング機能」を備えている。

今回は、世界的な人気を誇るシリーズ「GALAXY S III Progre」(サムスン)や1300万画素カメラを搭載した「Xperia VL」(ソニーモバイルコミュニケーション)、同じく1312万画素のカメラを持つ「AQUOS PHONE SERIE」(シャープ)、大画面HD液晶ながらコンパクトにまとめた「ARROWS ef」(富士通モバイルコミュニケーションズ)など10機種が発表された。

 しかし、発表会の場でKDDIの田中孝司社長が最も強調したのは、同社のLTEネットワークの“品質”だ。通信速度は全エリアで75Mbps、実人口カバー率96%。これを2013年3月末までに達成するという。それ以降はさらにアップグレードし、112.5Mbpsまで高速化。電波がつながりやすいプラチナバンドの800メガヘルツ帯で展開する。また、小型の基地局を配置して電波の弱い地域をカバーする取り組みや、LTEの対応エリアから出て3G回線(現在主流の通信規格)に移る場合、事前に準備をすることで通信が遮断されることを防ぐ最新技術も公表した。

ソフトバンクによる米国携帯3位スプリント・ネクステル社買収についての感想を聞かれると、「規模拡大も重要な要素だが、顧客が本当に求めている、つながりやすさやLTEなどに投資しなければならない。顧客目線でなければ企業は存続できない。われわれはそうした投資に集中していく」(田中社長)と方針の違いを説明した。

ソフトバンクは機器調達などで買収のシナジーが見込めるとしているが、「われわれもバカじゃない。いろいろと調べたが、直接的な効果は小さいのではないか」と疑問を投げかけた。さらに、「スプリント・ネクステルは1年前から、証券会社が買収を持ち込むリストにつねに入っていた」と、かねて打診を受けていたことも明かした。


11月から発売する冬モデルの新機種

 

(田邉 佳介 =東洋経済オンライン)

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