ドコモはいつまでiPhoneから目を背けるのか 5年ぶり契約純減

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米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」シリーズ。最新機「iPhone5」は足元のスマホ市場で圧倒的な人気を誇る存在だ。

iPhone5を取り扱うKDDI(au)、ソフトバンクモバイルは、その人気に恩恵を受けている。一方、iPhone5が売れれば売れるほど苦しむのが、携帯電話3社で唯一、iPhoneを扱っていないNTTドコモである。

傾向は数字に動かしがたい事実として現れている。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの携帯電話3社が12月7日に発表した11月の携帯電話契約純増数(新規から解約を差し引く)は、NTTドコモが4万0800件のマイナスと純減に沈んだ。一方、ソフトバンクモバイルは30万1900件と11カ月連続でトップ。KDDIは22万8800件で続いた。

ドコモが純減となるのは5年3カ月ぶり。新規で約17万件の顧客を獲得したものの、一方で番号持ち運び制度(MNP)は21万2100件の転出超過となり、制度が始まって以降、最悪の数値となった(KDDIは16万5100件の転入超過、ソフトバンクも4万7900件の転入超過)。

iPhone対抗策を打ち出すが・・・

これに対して、ドコモは、今後、発売されたばかりの冬モデルの新製品の販促を強化し、「アイフォーンに負けない端末の魅力をユーザーにアピールしていく」(ドコモ広報)。さらに、解約防止に向けた各種割引キャンペーンも打ち出す計画だ。

ただし、年末以降も顧客争奪戦が激化するのは明らかだ。KDDIは11月末発売の「iPad(アイパッド)」のレティーナディスプレイモデルや「iPad mini(アイパッドミニ)」、12月発売のHTC製スマホやシャープの「アクオスパッド」など、多彩な端末をそろえる。ソフトバンクも、iPhoneの下取りや機種変更前の端末を家族が安く使えるキャンペーンに加え、アイパッドに関連した割引キャンペーンも打ち出し、攻勢に出ている。

これだけ契約者の変動が起きる要因は、ドコモと競合2社の最大の違いである、iPhoneの取り扱いがあるか否かにしかなく、原因ははっきりしている。今後、ドコモの契約純減数がさらに拡大していくようならば、iPhone導入から目を背けていられなくなる。その方針転換は案外早いかもしれない。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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